「全員揃ったな?じゃあ、ミーティングを始める。
 
 来週の連休での合宿についてだ。これから配るプリントを、まず見ろ。樺地。」


「ウス。」


「すいません、跡部先輩。私、退部しても良いですか。」


「却下だ。・・・よし、全員行き渡ったな?まず、場所だが、俺たちの合宿地だ。」


「げー。またかよー。たまには、ちげーところ行きてー!」


「しゃーあらへんやろ、岳人。なんやかんやで、俺らんとこが一番設備エエし。」


「すいません、跡部先輩。私、部活止めても良いですか。」


「ちょこちょこ文句言ってくるな、お前は・・・。却下「地獄に落ちれば良いですよ。」








 
07.却下ばっかの上司。 












「大体、なんで、そんなに嫌がるんだ、たかが合宿だろう。」


「たかがって何ですか!ただでさえ、ここの部員数3桁に、マネジへのやる気失ってるのに!」


「早いやろ!やる気失うの、早いやろ!」


「うるさいですよ、関西人の先輩!

 だって、こんなか弱い女の子に3桁+他校の人を相手に出来るとでも!?」


「い、いや、できるんちゃう・・・?」


「え、できますかね。」


「もう、自分、なんやねん!切り替え早すぎや!」








嫌や、こいつ!って指差しながら、私を蔑むもんだから。

ちょっとムカついて、シャーペンを投げた。

そしたら日吉に、すごく睨まれた。

ご、ごめんなさい・・・・。








「言っておくが、合宿に連れて行くのは、ここに居るメンバーだけだぜ。」


「へっ。」


「そんな3桁も連れてけるわけねーだろ。あちらさんだって、強豪だから人数多いしな。」


「ってことは、レギュラーだけ、なんですか。まともに合宿できるのは。」


「そうでもねーぜ。準レギュは準レギュに合わせた合宿も用意してある。

 それにな、1年に合わせた合宿だって有るんだ。

 俺たちは敗者切捨てだからな。1部に固めておくと、いざって時に誰も居なくなるだろ。」








腕を組んだ状態で、まん前に座っている私を見た。

なんだ。ちょっと、跡部先輩も、良い人じゃん。








「どうだ。満足か。次の文句は。」


「・・・あ。」


「まだあるのか。」


「文句ってわけじゃないんですけど・・・、私、ジャージでマネジですか?」








ふと、気になった疑問。だって、そうでしょう!

氷帝のジャージは、可愛なくはないけど。

私も、日吉みたいなジャージが良い!

なんかカッコいいし、マネジっぽいし、なんか、あったかそうだし。







「えー、だめだよ。ちゃんは、ぜったいに俺らみたいなジャージ!」


「せやねー。でも、あえてメイド服でもええで?」


「侑士、お前、その顔は止めとけ。捕まりそう。」


「そうだな。氷帝ジャージを買っておくのが無難だ。」


「じゃあ、サイズはMサイズで。」


「・・・お前、男ものでMサイズか。のその体つきは、そんな立派なもんじゃねーぞ。」


「真面目に鑑定しないでくださいよ!なんすか!良いんです!身長が伸びる予定なんで!」


「樺地、監督から、ジャージ注文書をもらってこい。」


「ウス。」


「シカトか!っていうか、なんで樺地くんを召使いのように使うんですか!」


「俺様の忠実な後輩だからだ。」


「良いよ、樺地くん。私が行くから。」


「却下だ。お前には、まだ話すことがある。」


「えー。じゃあ、後で私が取りに行きます。私が。」


「却下「あ、と、で。行きますから。私が。」








バンっと、机を両手で叩いて跡部先輩の前につんのめった。

跡部先輩は、最初、その綺麗な顔立ちをゆがませたけど。

しばらくすると、芥川先輩が笑った。

こう、ぶははははー!みたいな。








「すげーな、ちゃん!やっぱ、そのぐらい、跡部と張り合えなきゃなー!」


「・・・まぁ、それもそうだな。よし、ますますお前はマネジを辞められなくなったぜ。」


「げ。」


「まだ話の途中だったな。合同合宿の相手は・・・。お前、この学校読めるか?」


「バカにしてんですか。」








元の体勢になって、跡部先輩を見た後、プリントを手に取った。

"立海大付属高等学校"・・・?

たちうみ?たちかい?








「た、たちうみ大付属高等学校・・・?」


「はい、ハズレー。」


「たっ、たちかい付属「りっかいな。り、っか、い。」


「ししし知ってましたから。ちょっと、ボケたんですよ。ね、日吉。」


「跡部部長、バスが合同って書いてあるんですけど。」


「え、どこまで合同なんですか。最初から最後まで貫通ですか。トッポですか。」


「そうだ、トッポだ。」


「(跡部がギャグに乗った・・・!)」


「(ていうか、真面目な顔で言うことちゃうやろー!)」


「ぶははは!跡部、まじまじウケルC!」


「ところで、朝8時に氷帝って、早すぎじゃないですか。9時じゃダメですか。」


「却下だ。」