「ねぇ、知ってる?夏休み中、テニス部の3年生、引退したじゃん?」


「知ってる、知ってる!跡部さま率いるメンバーのお話でしょう!?」


「もう興奮しちゃうねーっ!!」「きゃーっ!」











「いやはや、女の子は、いつだってトキメキうはうはドカーンですな。
 
 さてさて、はい、今日はドレにしよーかなっ?
 
 昨日は、アクエリウァスだったし、今日は、ポンタ・グレープかな!?」







ダダダダダダダダ・・・・・・・










!ちょっと来て!」


「え、待って。まだ、ジュース、買ってな「はやく!」











朝、カバンを置いて、廊下の自動販売機に向かった、私。

まだ、買ってないんだけどなー。ポンタ・グレープ・・・。

そんなことを、に引っ張られながら、考えてた。

あぁ、ポンタ・グレープ・・・。

どうか、売り切れにならないでおくれやす。














04.やりたくない。  














「よう、。」


「あ、そんなに身構えへんでもええで?とりあえず、座りぃ。」


「いや、えっと、座りたい席は、あの、いわゆる跡部さまの尻の下なんですが。」


「・・・そりゃ、すまんかったな。跡部、どいたり。」


「ッチ。ところで、。お前、マネージャーな。」


「すいません、話がつかめません!」











私が、そういうと、ハァ?という顔で見る、いわゆる跡部先輩。

いやいや、ハァじゃないよね。むしろ、こっちがハァですよね。

だって、今の会話の流れに、どこからマネージャーが出てきましたかー!?

はい、そうですねー!

何の脈絡もない、単語がいきなり出てきましたねー!











「ちゃんと、言うたりや、跡部。」


「・・・・マネージャーに、なる、だろう。」


「そーじゃなくてな。

 すまんな、お嬢ちゃん。俺らの先輩な、もう引退してん。」


「(あ、やっとまともに会話できそうだ。)は、はぁ・・・。」


「それでな、久々に、中等部のメンバーで戦いに臨めるんや。

 これ、黄金メンバーとか言われて有名なんやで?知っとるやろ?

 んでな、俺ら、万全に戦いに臨みたいねん。しかも、付き合い長すぎて、マンネリや。」


「(なんだっけ、この人の名前。)はぁ。」


「そこでや!!」「うわっ!(びびった!)」


「かーわいーマネージャーさんが欲しいねん。」


「あの、先輩の後ろで女の子たちが、手を思いっきり挙げてますよ。」











いいかげん、なんか面倒だぞ。

いいじゃないか、後ろで思いっきり挙手してる女の子たちで。

私より、全然可愛げあると思いまーす!

あ、は手を挙げてないや。うんうん、君に一票!











「ちゃうねんちゃうねん。そんな盛った猫ちゃんは、いらんねん。

 日吉の彼女やろ?日吉が信頼してる彼女やったら、俺ら、真面目に出来るんや!

 日吉が信頼してる彼女やったら、きっと、真面目に仕事してくれるやろ!」



「何度言ったら分かるんですか。は、彼女じゃありません。」



「日吉!」


「跡部部長、昨日の話って冗談じゃなかったんですか。」


「ばーか。俺が冗談言うかよ。俺様は、に決めた。」


「どこまで、人の意見をきかないんですか。やらないって言ってるでしょう。」


「日吉、俺は、お前に聞いてるんじゃねぇ。俺様が頼んで、は断るはずがない。」



「え、断りますけど。私。」











日吉が来てくれたおかげで、先輩たちの注目は、日吉へ。

どうやら、日吉は、私をマネージャーにする、という先輩の意見を、昨日聞いていたようですな。


私は、やるはずないと日吉もわかっていたのかな。うん。

だって、人の世話するほど、余裕ある人間じゃないんだよ、私!


っていうか、なんか、先輩、固まってるんですけど!

日吉は、よくやったって顔だけど。











「・・・とりあえず、お前、今日、放課後は、テニス部部室な。」


「え、いやですよ!」



「こなかったら・・・そうだな、あぁ、日吉を人質にする。」


「うわ、なんやの、その微妙な条件。そんな脅しきかへんやろー!」


「ず、ずるいですよ!日吉を人質にするなんて!私の相棒!」


「きいとるし!この子、跡部の脅しがきいとるし!」


「相棒じゃねぇ!ただ、クラスが同じなだけだろう!席が隣なだけだろう!」


「私を弄んでたの、日吉・・・!」


「誤解を生む台詞やめろ!」











* * *











あー、眠い。ごめんね、数学。

私、何が何でも数学は眠たいらしいよ。

うわ、旅立つ旅立つ。あ、日吉が見てる。おいおい、そんなに睨まなくたって、











「いいだろーぅ。」


「は?何言ってんだ。つーか、そんな姿勢だから眠くなるんだろう。」


「だって、数学、わかんないもーん。」


「・・・なぁ、お前、マネージャーやるなよ。」


「どーしてー?(やらないつもりだけど。)」


「マネージャーやると、嫌がらせくらうだろ。わざわざ棘の道に入らなくても良い。」


「心配してくれてるの?」


「・・・さぁな。」


「日吉は、私にやって欲しい?」











机に頬っぺたをつけて、日吉をまっすぐ見た。

すると、日吉は、最初びっくりしていたようだけど。

すぐに、考えるように、目線をずらして、言った。











「別に、お前は意外と真面目だから、下手にそこらの女がやるよりは、俺は、良い。」











そっか、じゃぁ、考えてみようかな。












どうしよう。日吉が教授みたいになってきた気がする。