「うっわ、ぁ・・・・!」
「アホ面してねーで、さっさと自分の荷物をとってこい、。」
「無理もねーよなぁ、!初めて、跡部んとこの合宿に来たんだしな!」
「ちゃんちゃん、俺が案内してやるC−!」
「あ、口開いたまま動かへんで、。」
この合宿所に圧倒されて、あいた口がふさがりません。
ここから見える、コートの数と、設備もすごそうです。
玄関の前でお辞儀しているコックさんと召使いさんの数にもビックリだし。
ハウステンボス並みに豪華で綺麗な合宿所を見て、目がきらきらしてしまうのは、
女の子として、しょうがないと思うんですね。
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ようこそ、いらっしゃいました。
玄関の前まで、みんなそれぞれ自身の荷物を持って行くと、
きっと打ち合わせしたんだろうな、と思うくらいにコックさんと召使さんが声をそろえて言った。
それについても、ものすごく驚いている私。
中に入っても、圧倒され。
先輩たちは、もう慣れてるのか。
お部屋を案内してくれるのであろう、執事っぽい人の説明を聞いていた。
私はといえば、玄関から入った時に見えた、天井の豪華なシャンデリアに夢中。
当然、そんなに上を向いていれば、後ろに倒れるわけで。
「う、わ、「っと、大丈夫か?」
「え、あ・・・ありがとう、ございます。ジャッカル・・・さん?」
バランスを崩した私の背中を支えてくれたのは、
自己紹介の時に、ハーフだと言っていた、ジャッカルさんだった。
「おっ、名前、もう覚えてくれたんだな。」
「あぁ、はい。名前を覚えるのは、まぁ、集中すれば得意なんで。」
「(それって得意なのか?)この迫力にビックリしてんだな。まぁ、無理もねーよ。」
俺も、最初来た時にビビったからな。
さわやかに笑ってみせる、ジャッカルさん。
あぁ、色黒の肌に、その白い歯は反則じゃないですか。とても、さわやかです。
「ぬわぁーに、ジャッカルのくせに、さっそくマネジに手ぇ出してんだよーぅ。」
「ばっ・・・!手なんか出してるかよ!ただ、倒れそうだったから支えただけだ!」
「気をつけろよー?マネージャーさん。こいつ、ムッツリだから。
この前も、部室のロッカーに卑猥な本を「そりゃ、お前だろ!」
「ジャッカルさん、健康な男性でしたら、そりゃ卑猥な本の1つや2つ、3つや10、持ってますって。」
「おっ、マネージャーさん、話分かるねー!」
「つか、10冊は多すぎだろ!」
「ばーか。俺はそんぐれー、持ってるぜぃ。」
「自慢そうにしてんなよ!」
きゃいきゃい、騒いでいると、跡部先輩が聞いてるのか、ソコ!と大声をあげた。
あ・・・そういえば、私たち、説明受けてるんだった。
へーい、と。
丸井さんが、列になるように、並んだ。
それに続いて、ジャッカルさん、そして私も。
・・・それに続いていったのが間違いで、私はなぜか立海の列に並んでしまった。
アッハッハッハ。
がっくん先輩が、バカでーって顔で笑ってる。
また動いたら、跡部先輩に怒鳴られそうだし。
ま、説明の間だけ。ここに居て黙ってようっと・・・。
・・・とした、決意の瞬間。
トントンと、後ろの人に肩を叩かれた。
なんだよー、もー。
無視するのは悪いので(しかも他校の先輩だし)バレないように、チラリと後ろを見た。
そこに居たのは、銀色の髪の人・・・たしか、仁王さん、だっけ。
「そんな微妙な首回しじゃなくとも、前に居るのはジャッカルじゃ。
小さいマネージャーさんはジャッカルの影で隠れとるよ。」
「(それもそうだ。)・・・なんですか?」
「俺は、仁王じゃ。仲良くしよーぜよ、マネージャーさん。」
「仁王雅治さんですよね。もう、名前覚えました。あ、友好条約ですか。締結ですね。」
仲良くやろーなんて、そりゃそうでしょう。
ここで喧嘩になんかして、悪い空気になったら、合宿しにくいよ。
しかも、お互いの能力をあげるための合宿の意味がまるで無くなるし。
当たり前のことを言われたので、冗談っぽく返すと、仁王さんは、目を糸のように細めて笑った。
・・・狐みたいな先輩だな。
「お近づきの印に、後で俺の部屋に来んしゃい。」
「良いですよ。もちろん、先輩たちも一緒ですよね。」
そう言うと、意外に食えない女じゃな、と。また、笑った。
当たり前じゃないですか。
出会って、いきなり、男の人の部屋に入るほど、危なっかしい女じゃないんです。
ギャンブラーの仁王は、氷帝のを見つけた!
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