月が照らした、二人の未来



「シリウスは、色で言うと、紫だね。」

「紫?」

「妖艶で、人を惑わすの。」


「妖艶、なぁ。まぁ、この美貌だったら、それも納得だぜ。」

「ほんと・・・シリウスは、かっこいいもんね。」

「・・・おい、ここは、バーカっていうところだぜ?」

「ううん。きょうは、つっこんでやらない。」


「なぁ、どうしたんだ?泣いてるのか?こっち、向けよ。」

「シリウスは、妖艶だよ。人を惑わす、紫。そんな貴方、私、キライ。」


「な、んだよ・・・それ、どういうことだよ・・・!」


「昨日の夜も、誰かを惑わしていたでしょう?三日月の光は、あなたの妖艶を引き立てるわ。」

「昨日の、夜・・・って、お前、見「ばいばい。」



キライって言って、ごめんなさい。

本当は、好きだよ 大好きだよ。…だけど、もう、無理なの。


あなたは、紫。妖艶で、人を惑わすわ。

誰も、悪くないの。ただ、私が弱かっただけ



あなたは、紫。妖艶だから、人を惑わしてしまうのね?

あなたは、悪くないわ。あの子も、悪くない


弱い私を、逃げる私を、許してね。


あの日、私たちの始まりの日、私に好きだと言ってくれて
ありがとう、シリウス。

喧嘩の日は、私が素直じゃないから、いつもシリウスから先に謝ってたね
ごめんね、シリウス。

私は本当に、あなたのことが大好きだったよ、本当に、愛していたよ
さよなら、シリウス。


でも、大丈夫。
あなたは きっと 私を忘れるから。

でも、大丈夫。
私は きっと あなたを忘れるから。




忘れるから 忘れるから 忘れるから・・・




忘れたかな?