あなただけは幸せになって
「私が、死んだら、どうする?」
「僕は、どうもならん。」
「酷い人。泣いてくれないんだ。」
「さぁな。」
「でも、セブルスが泣くのなんて、想像できない。だから、やっぱり、良いわ。」
「僕が泣かなくても、お前は好かれるから、何十人は泣くぞ。」
「こんなこというと、私、酷い人かもしれないけど。
私、セブルスが泣いてくれたなら、成仏できると思うんだよね。」
「つまり、僕が泣かなきゃ、祟って化けるということか。」
「セブルスが、ホグワーツの教師になったら、私、ピーブスたちと一緒にお茶会しているかもよ?」
「それはそれは・・・恐ろしいな・・・。」
「ねぇ。泣いてほしいけど、それよりも、お願いがあるよ。」
私が死んでしまった そのときは、私を忘れて 歩いてね。
あなたにも きっと 愛する人と共に暮らす 幸せな日々がくると思うわ。
だから 私を忘れて 歩いてね。ずっと歩き続けてね。
振りかえっちゃだめよ?過去は忘れなさい。
あなただけは、幸せになってね。
だけど
私の誕生日だけは 独り 泣いてね。
私を 想って 独りで 泣いてね。
バカなやつだな。お前は。お前以上、我輩が愛する人など居ない。
だから、お前の誕生日じゃなくても、独り、泣いている。
おかしいだろう?この我輩が。
ホグワーツの教師になったが、お前はピーブスとお茶会していないようだ。
お前が死んでも、また会いたくて。
お前が世界から消えた日は、泣くのを必死で堪えていたというのにな。
お前が居ないこの世界は、汚くて、暗くて、すさんだ世界さ。
だけど、お前が幸せになって、というから、我輩は歩き続けよう。
いつか、また、会おう。