苦しそうなキミが美しい
「人なんて、虫みたいだ。」
「わー。17歳にして、ひねくれた考え!」
「だって、そうでしょ?みんな、光を求めて、光のほうへ行くんだ。」
「そりゃー暗闇より、光のほうが良いに決まってる。」
「光に群がっていく、ちっぽけな虫なんだ。」
「じゃあ、僕も、キミも、ちっぽけな虫ってことかい?」
「ジェームズ・ポッター。あんたは、違うよ。あんたは、光だ。」
「・・・それだと、みんな、僕に群がるってことになるけど。」
「あながち、ハズレでも無いでしょう?あんたは、いつでも、みんなの太陽だ。眩しい太陽。」
「僕は、太陽・・・?じゃあ、キミは?」
「もっとちっぽけな虫さ。光に憧れてるけど、近づいたら焼け死にそうで、近づけない。
誰よりも、臆病で、誰よりもちっぽけな虫。それが、私。」
「・・・だから、キミは、僕をいつも苦しそうな目で見てるんだね。」
「ジェームズ・ポッター。あんたを見ていると、とても、眩しい。
わたしには、暗闇があっているんだ。だから、光には近づけない。」
「じゃあ、僕から近づくよ。憧れてても近づくのが怖いなら、僕が動けば良い。
焼け死ぬと思い、僕を怖がるなら、一度試してみれば良い。
眩しそうに目を細めて僕を見るのなら、いっそ、眩しさに慣れてしまうまで僕を見れば良い。」
手を伸ばし、キミの頬を触れると、驚くほど、とても冷たかった。
顔を近づけ、キミにもっと触れようとすると、ビクッと、体を飛び上がらせた
眩しい と感じている目じゃない。
キミの ソレは
怯えている 目なんだよ
そんなに 僕が 怖いのかい?