「真田さん、気持ちイーですかぁ。」


「うむ、もう少し、激しくても良いぞ。」


「えー。私、そんな激しく動けないんですけど。」


なら、きっと大丈夫だろう。」


「なんですか、その信頼。真田さん、私のすべてを知ったつもりですか。」


「もう少し、激しくしてくれ。」


「うわ、要望に変わった。分かりましたよ。

 激しくしますよ、後で痛くなっても知りませんからね!」


「ふははは!俺の体はそこまでやわではないわ!も激しくしすぎて痛くならんようにな!」








「どーでも良いんだけどさ、お前らの会話、エロいっちゃーエロい。」


「まー。俺はー、ある種興奮すっけどねぇ。」


「赤也、目。お前の目。今にもマネージャーさんに飛びつきそうな勢いだぜぃ!」


「ブン太。飛びつきそうなんは、赤也だけじゃないぜよ。」


「もう、なんだよコイツらー!あきらかに獲物を狙ってる肉食動物の目だよ!」



「てゆーか、丸井さんも、にに仁王さんも、あああ赤也も、想像力豊かすぎです。。

 私はただ、肩がこっていそうな真田さんの肩を叩いてるだけですから。」



「なんで、仁王と赤也をドモるんだ?」


「それはね、ジャッカルさん。私のなかで怒る日吉より恐怖対象だからですよ。」


「なんか、すいませんね・・・さん。」


「気にしないでください。二人以外とでしたら、合宿終わっても交流したいなと思います。」










13

赤也が怖くなったので、ボツになりましたよ










もう良い、と言う真田さんの声で、私は肩たたきを止めた。

真田さんは、肩に手をあてグルリと腕を回し、反対の肩も同じようにした。








「・・・うむ、。ご苦労だったな。だいぶ、楽になった。」


「そうですか。それは何よりです。また、肩たたきしますね。父の日は呼んでください。」


「なるほど。父の日ということで、普段世話になっている男たちのところへ行くのだな。」



「すげェ・・・。かみ合ってるようで、ぜんっぜん噛みあってねぇ。」


ー。つぎは、俺ね。じゃあ、ここじゃなんだから俺の部屋でやろうぜ。布団あるし。」


「いやいやいやいや。布団関係ないよね。」


「ありあり。大ありッスよー。だって、床に寝るの痛いじゃん?」


「・・・そうか。真田さんの時は、肩たたきだもんね。背中や腰のマッサージの場合、床はつらいかも。」


「でしょ?じゃあ、決まりー!さっ、行こうぜ、俺の可愛い獲物ちゃん。」


「なんで、マッサージってだけで、そんな嬉しそうなの。」








突然振り出した雨が止むことはなく、大広間で筋トレという形になった。

筋トレというか、柔軟中心だけど。


みんな、学校もごちゃごちゃになって、バラバラで筋トレしている。

ジロー先輩は寝ていて、跡部先輩は既に放っておいてる。

まぁ。ジロー先輩、筋肉とかは置いといて、柔軟は十分だしね。


さて。

私は、どうして立海に混ざっているのかと言いますと。

最初に話したとおり、真田さんの肩が凝っていそうだったから。

テニスだけじゃなくて、たぶん、赤也の面倒みているだけで凝りそうだもんね。


べつに、肩たたきしたいーっていう熱烈な肩たたきファンでもないけど。

真田さんは、どーもね・・・。

お父さんって感じだから、肩たたき使命を感じた。


てゆーかっ

真田さんに肩たたきをするだけで、ものすっごい親孝行感。



・・・ところで。

私、手を強引に引っ張られるがまま、赤也と歩いてるんだけど。

大丈夫なのかな。

私、あまりマッサージ得意じゃないんだよね。

あ、揉めば良いか。なんとかなるかな。








「・・・ねぇ、切原。をどこへ連れていくつもり?」


「あれ、滝さん。端的に言えばマ「男と女が部屋へ向かってやることつったら一つッスよねぇ。」


「・・・えええぇぇぇぇぇえええ!」


「その様子、は知らないみたいだけど?うちのマネジに、手は出さないでくれるかな。」


「・・・ハーァ。もうすこしで、を満喫できるトコだったんスけどねぇ。」


「アハハ。ごめんね、切原。でも、合宿中に問題がおきると面倒だろ?」


「はーいはい。返しますよー。」








手を離し、まいりました、みたいな感じで両手をあげる赤也。

滝先輩は、おかえり、と笑った。

だから、私も、アハハと笑った・・・つもりだった。


なぜ、笑えなかったかと言うと、赤也に後ろから抱きしめられたからだ。








「ちょっ、え、ちょー!?」


「毎回、上手いところで邪魔が入るんスよねぇ。おあずけ、くらいまくってんだけどー。」


「し、知らないよ。おあずけ、とか。私、赤也の飼い主じゃないし。」


「もう我慢なんねーんだけど。」


「そんなこと言われても、し、知りません。」








そう言うと、耳元で何か小さい声で言った。

もちろん、私は聞き取れたけど、不快な顔をしている滝先輩は聞き取れなかったみたい。


じゃーね、といって赤也は去っていった。

滝先輩は、大丈夫?と私を心配してくれたけど。


正直私、それどころじゃないです。








(夕飯食べ終わったらすぐ、自室に戻ること。鍵は開けとけよ?俺の可愛い獲物ちゃん。)








こ、怖すぎるよ、あいつ・・・!