嫌な予感していたんだ。

私は結構、勘が当たるし、何よりグリフィンドールのアイツラの姿が見えなかったし。

アイツラが居ないとき、決まってその後、嫌なことが起こるんだ。








獅子と蛇姫






「シリウス!ジェームズ!シリウス!ジェームズ!」








ほらね、当たった。

あの獅子どもの円の中にいるのは、セブルスに違いない。

私は、隣のクリードに荷物を無理やり預けてセブルスのもとへ走った。








「セブルス!」



「あ、眼帯ちゃん。」


「よう、。何だ、また助けにでも来たのか?」



「セブルス?意識は有るのか?…ないな。クリード!セブルスを運ぶ!」


「いきなし人に荷物押しつけて、走って。なんだ?と思ったらコレね。」


「セブルスのバカ。一人になると心配だから、私はいつも側に居たいのに。」








悲しいな。

セブルスの、相変わらずの不健康な顔を少し撫でる。








「へぇ。Ms.はスニベルスにお熱なんだ。」


「ポッター。私たちを、そんな下劣な言葉でくくらないで。」


、行くぞ。」








ニヤニヤしながら腕を組み立っている、ポッターを無視して、立つ。

セブルスをおぶっているクリードを先に行かせた。

何より早く、セブルスを行かせたかった。


セブルスが安心して寝れる場所へ。








「私は、スリザリンと言う寮に誇りを持っている。それにセブルスは私の大切な友人だ。

 お前ら獅子どもが蛇というだけで、こんな下らないことをするなら。」



「するなら、なんだってんだよ。」








「私はセブルスを全力で護ってみせよう。」








真っ直ぐ、真っ正面から言ってやった。

すると、ブラックは少しひるんだように見えた。

ふん、ちいさいやつ。








「Ms.。こんな時にこんな事言うのも変だけど。僕は君のことは嫌いじゃない。」


「ポッター。その言葉、今の状況では何の意味も持たない。」


「だろうね。」








やれやれ、確かにやりすぎたかな、と。


苦笑いをする、ポッター。



今さらな言葉だ。



セブルスとクリードが、もうここから見えなくなったことに、安心をして。

私も、マダムのところへ行こうと、進めると。


右腕に、なにか、強い力。


ポッターの手だった。








「なに、ポッター。」


「君には、謝るよ。ごめんね。」


「私に謝っても、仕方のないことだろう。だからと言って、セブルスに謝れとも言わない。」


「どっちもどっち、って言いたいんだろう。ただ、君は、セブルス側に居るだけだよね。」


「そう。私は、セブルスが好きだからセブルス寄りになるのも当然。」


「妬けるなぁ。ほんと、スリザリンは嫌いだけど、君のその割り切ってる所は大好きだよ。」


「いい加減、離して欲しいんだけど。」


「あぁ、ごめんね。じゃあね、Ms.。」








パっと、手を離し、いつものクシャっとした笑顔で、私に手を振る。

ブラックに、なんでアイツとは仲良さげなんだ、と詰め寄られてるような声が聞こえた。

ブラック、君も、寮だけで人を判断しているようじゃぁまだまだだね。









さん!」


「あ、レギュラス。」


「セブルスさんなら、こっちです。途中で、目が覚めて、談話室に居ます。」








言わなかったけど、ポッター。

私も、べつに、きみのことは嫌いじゃないんだよ。








ただ、私の宝物をいじめたら、
容赦しないってことなんだ。









私と、きみは、きっと気が合うね。