姫と騎士と









「ふぁーあ・・・」


「クリード。そんなバカ面な欠伸をするなよ。」


「んなこと言ったって、ねみぃんだよ。人間の自然的な欲求だよ。」


「アークスはいつも欲求に忠実な男だからな。」


「え、なんか、え。なんかさ、その表現エロイ。」








キャー、と手を口元に当てて、いかにも乙女な反応をしたら。

目の前のコイツ等は、同じような嫌悪の表情をした。

うわ、傷つくんですけど!








「つーかさ、。お前、また魚よけてるだろ。」


「・・・今まで黙ってたけど、嫌いなモノ食べたら死んで「セブルス、ちょっと魚突っ込んでくれ。」


「・・・」


「はなせー!ムリムリ!ぜったい嫌だ!食べたら呪われるから!」








俺が暴れないようにと、の腕を拘束して。

セブルスが黙りながらも楽しそうに、の口へと運んでゆく。

いやいやいや。俺、確かに頼んだけどさ。

あれ、なんか頼んだ相手間違えた?

すげーが可哀想に思えてきた。




セブルスに無理やり突っ込まれた、魚を不服そうに、噛み、飲み込む


の信条は「気高く、誇り高く」だから、あまり抵抗するのも気が引けたんだろ。

プライドが高いとか、そういうのは置いといて。

は、みっともない行為をすることを拒む。

それは、家として、スリザリン生として、誇りを持っているからだ。

こういうところは、さすが、名家の家だよな。








「一口食べたぞ。良いだろう、クリード。」


「ああ。上出来だ。明日も一口だけ、食べるんだぜ。」


「・・・魚なんて食べなくても生きてゆけるよ・・・。」








「そんなことはない。魚はとても大切だ。

 魚を食べれば、肉よりも良いタンパク質を蓄えられる。それに頭がよくなる栄養素もある。
 
 目がよくなるとも言われ、カルシウムをも含まれているぞ。」








「す、すごいのか、魚って・・・」


「いやいや。すげーのは、栄養素を覚えてるセブルスだろう。」


「ふん。常識だ。・・・ところで、アークス。」


「なんだ?」


「好き嫌いは、確かにいけないが、それほど強制させるものでもないだろう。」


「あー。まあ、そうなんだけどな。」


「しょうがないさ。クリードは、世話係まで命じられている。」


「アークス家は代々、家に仕えてる。姫の騎士ってわけよ。」








そうだ。俺は、の面倒を見るように親からもの親からにも言われてる。

それに、何があっても守るって、決めたんだ。あの日から。








「まあ、騎士とかおいても、クリードは私の大切な人だよ。だからいつも一緒。」


「忘れていた。お前、家だったな。」


「セブルスって変わってるよね。自慢じゃないけど、大体苗字に皆くらいつくのに。」


「興味ない。」


「うん。だからきっと、私はセブルスがスキなんだろうな。セブルスも大切な人だよ。」


「・・・ふん。」


「あ、照れてる?照れてる?アハハハ!」


「照れてなどいるものか!」








なあ、。俺、まだ、あの日のこと、後悔してるんだぜ。


お前のその綺麗な片目を、眼帯なんかで隠すようにしてしまったこと。


皮肉なもんだな。


あの日から、俺はお前を守るために生きているんだって気持ちが強まったよ。








「クリード?どうした。眠すぎて、寝てたのか。」


「ん、まー、そんなもん。」








もう二度と、
傷つけさせねぇから。









書き忘れていたけど、ヒロイン嬢は、片目を眼帯で隠してます。(書き忘れるな)