「セブルス、少し、箒乗るの巧くなったんじゃない?」


「・・・。お前、あのセブルスの状態で言うか。」


「だって、ただ2回転してるだけじゃない。

 2回転終わったら、少し進んで、ほら、また2回転・・・あ、3回転だ。」


「まぁ、確かに。前は箒に振り回されて進むどころじゃなかったからなぁ。」








狙っているのではないかと思うぐらい、華麗に舞うセブルス。


なぁんて、かっこよく言ってみるけど、実際は華麗も舞うも何もない。


ただ、セブルスが2回転時々3回転をしながら飛んでいるだけ。

うん。そろそろ、助けなきゃ、報復が怖いかもね。








暴走飛行の成れの果て






「・・・・。」


「ごめんって、ごめん。セブルスがあまりに華麗に舞っているから、見とれてた。」


「どこが華麗だというのだ・・・。ただ箒に振り回されていただけではないか・・・。」


「まぁ、そうとも言うね。」


「見とれていただと・・・?面白がっていただけではないか・・・。」


「まぁ、でも、助けたよ?」


「手が滑って落ちたところを、アークスがキャッチしただけだろう・・・。」


「うーん、まぁ、そりゃ確かにじゃあ、男一人はキャッチできないからな。」


「・・・セブルス、大丈夫?吐いちゃいそう?マダムのところに行く?」








蒼い空の下で、いつもより数段顔色を悪そうにしている、セブルス。

横にさせると、余計に吐いちゃうかもしれない。

だから、座っている状態のままだけど、やっぱり、マダムの所につれてった方が良い。

そもそも、吐きそうな顔っていうぐらいに振り回してしまったのはセブルスの箒だけど、

私が無理やり箒の練習しようなんて言ったからだ。



どうしよう、おせっかいだったかもしれない。



グルグルと心の中で、後悔が回っていると、頭にポンっと手の感触がした。








「・・・がそんな顔するほどではない。」








大丈夫だ、そんな顔をするな、



そう言って、セブルスは頭を優しく撫でた。


・・・うん。








これからは、無茶させないね。








「わかった。私とクリードが交代交代にセブルスと二人乗りすれば良いんだ!」


「・・・できれば、アークスとは嫌だ・・・。」


「俺も・・・セブルスに同じ。」



「え、どうして?」


「ばっか、そりゃ、何が楽しくて男同士で密着して箒のレクチャーしなきゃいけねーんだよ。」


「・・・そういうこと?セブルス。」


「(それもおおいに有るが)教えてもらうのなら、が良いということだ。」












暴走飛行のなれのはてに、教授はさんと箒二人乗り権を手にした!
私のなかで、教授はムッツリ。