そんな日常








ここは、談話室。寮内の生徒ならば、誰が来ても驚くことはないはずだ。

僕は、いつもここでレポートをしているし、大体、机の上に羊皮紙ひろげてるのなんて、僕ぐらいだ。

目の前で慌てふためいてるコイツだって、僕が来たからって驚くことはない。

そのときから、悪い予感はしていたんだ。

必死に机を隠す、小さい体を手で退けると、目の前の現実に一瞬殺意が芽生えた。








「あー。セブルス君。あのね、これは「が暴れて、セブルスのレポートにインクこぼした。」

「クリード!うわ、セブルス、顔怖っ!」

「とりあえず、大人しく座ってもらおうか、。」

「はい・・・」








僕がに指をさすと、面白いくらいに大人しく床に座った。

しかも、日本式の「セイザ」というやつで。

知らないぞ、足がしびれたと泣いたって、僕は治してやらないからな。








「では、被告人の?状況を説明してもらおうか。」

「クリード・・・。楽しんでいるな・・・。」

「さっさと説明しろ、。」








隣で笑いながら立ってるアークスを睨みつけながら。

は、僕の命令に(珍しく)大人しくなる。

なかなか言葉を出さないに、もう一回名前を呼んでやると、顔を下に向けながら話し出した。








「夕食の前に、少しだけ自分の部屋で寝ていたんだけど、目が覚めて。

 談話室に行ったら、たぶんセブルスが居るだろうと思って、談話室に行ったんだ。
 
 そしたらクリードが居て、クリードがセブルスの羊皮紙に落書きしてたんだよ」








「アークスが?ほう、なるほど。アークス。その件に関しては、どうだ。」


「え、あー・・・。はい、被告人の言うとおりです。」


「ほう。では、被告人。供述を続けろ。」








「私、もちろん止めましたよ。だって、セブルスに本気で怒られたことあるからね。

 セブルスが本気で怒ると、本当に怖いんだ。その場に居る関係ない人にも火の粉が飛ぶから。

 クリードを止めなきゃ、私も怒られるし、それは嫌だしね。そしたら、インクが・・・。」









ノってきたのか、ううう、とローブの袖で涙を拭くふりをする

その胡散臭い、嫌悪が出る演技はおいといて。



なんだその供述は。



つまり、僕の羊皮紙はどうでもよくて、ただ単にお前が怒られたくなかったからか。

、お前、その供述で僕の怒りから逃れられると思えたのか。

その思考回路が僕は心配だぞ。








僕は、怒る気も失せて、否、アークスには後でじっくり怒りを奮うのだけど。

・・・ずいぶん隣が静かだと思ったら、アークス・・・逃げたな。


現時刻をを横目で確認すると、真っ黒になった羊皮紙を丸めて、

汚れた絨毯はアークスに片付けさせよう。








「立て、。お前が待ちに待った夕食だ。」


「え、本当!」








バっと顔を上げる、その分かりやすい仕草に、思わず呆れた笑みが出た。

嬉しそうなわりに、なかなか立たないから、眉を寄せ、を見ると。

苦笑いをして、僕に言った。








「ア、アハハ。
 足がしびれて、立てません。」









「知らん。言っただろう、僕は治さないぞ。」


「(え、いつ言ったんだろう・・・)」