「お前は、砂糖菓子みたいなやつだな。」








不意に、言ってしまった。

いや、勝手に言葉が出てきたと言ったほうが正しい。

談話室で僕の隣に座っている、を見て、勝手に出てきた。


当の本人は、当然驚いている。

その隣に居る、お菓子を食べているクリード・アークスでさえも。



だが、一番驚いているのは、この僕だ。









03 砂糖菓子のような笑顔









「アー・・・えー、と。セブルスくん?なぜ、が砂糖菓子みたいなんだ?」


「・・・なんとなくだ。匂いとか、雰囲気とか。」


「クリード、私は甘い匂いしていますか?」


「んー・・・。どうだろうな。俺が今食べてる、この菓子のせいかもしれねぇし。」


「そっか。でも、セブルスが言うのだから、間違いないのだろうね。」


「・・・ふん。」


「セブルスは、嘘を言わないだろうから。」








そうだろう?と、僕に笑いかける

そのたび、僕の胸は熱くなる。

理由がわからないぶん、ものすごく不愉快だ。



こじつけて、匂いが、とか、雰囲気が、とか言ってしまったが。

本当は、よくわからない。


だけど、こいつが‘甘いやつ’というのは分かる。




僕のようなやつを簡単に信用しているのか、

分かっているように彼女は、嘘は言わないだろう?と言う。


思いつくものを言っていくと、キリがない。

考えるだけで、僕には、バカバカしいとしか言えない。



そんな甘いと後悔するぞ、と言っても、

疑うより信じる方が気分的に楽だと笑っていたり。



あぁ。だんだんと、答えが見えてきたぞ。



お菓子というものは、止めよう止めようと思っても止められないモノだと聞く。

それならば、やっぱりコイツは、お菓子だ。それも非常に甘い。

と関わるのは止めよう、こんな甘い奴は僕の関係者じゃない。


そう思っても、関わることを止められない。


の笑顔には魔力が有るんじゃないかと思う。

まぁ、僕らは魔法使いだから魔力は有るといえば有るのだが、そうじゃなくて。


アイツの笑顔を見ると、どうも何もかも許してしまう自分がいるのだ。

心で止めようと思っても、笑顔を見ると、まぁ良いかと思う。



ゆえに、自体もまた砂糖菓子のように、止められない効力が有るのだが。

の笑顔は、砂糖菓子のように、

もう一度、もう一度見たいと思って、中毒のようにアイツの関係者で居るのだと考えた。



こうやって、論文のようにアイツの笑顔について、甘さについて並べてみても。








彼女の笑顔は、
砂糖菓子のように甘く、やわらかい。






初めて、味わう感覚。

初めて、僕自身を信じてくれる、人。