「セブルス・スネイプ?」


「・・・・なんだ、Ms.。」


「やだなぁ、そんなに嫌そうな顔をしないでほしい。」


「・・・・。」









01. 突然、視界に
     飛び込んで来た君








「私は、「だろう。何の用だ。」


「何の用か、と言われると難しいな。ただ、君を見かけたから話しかけたんだ。」








最初、話しかけられたとき、こいつはバカかと思った。

ただ見かけたからって、まだ知らない奴に話しかけるか?

いや、確かに初対面ではない。

だが、昨日、会って、少し、話しただけだろう。


僕には、こいつの意図が読めない。








「勉強しているの?」


「そうだ。どこかの誰かさんが来なければ、もっとはかどっていた。」


「へぇ。すごいな、まだ1年生だよな、君も。それなのに、すごい、こんな高度な魔法。」








僕が座っている椅子の真横に立ち、僕が書いていた羊皮紙の文字を指でなぞっていく。

流れる髪の毛が、すこし、くすぐったくて、だけど、嫌な気をさせる髪ではなかった。


そう、良い匂いがしたんだ。








「私は、薬学がとても苦手なんだけど。君は、得意らしいね。」


「・・・見ただけで、高度と分かるのだろう。そこまで得意ではないはずだ。」


「家が家でね。その名に恥じぬようにと自分なりに努力した。」


「そうか。・・・、だったか?」


「そう、君が思っている通り。って言う名だけで、判断されることが多い。」








>だからって、頭が良いわけではない。

少しの失敗でも、親や家に飾られている先祖たちに申し訳ない。




そう言って、苦笑いをするは、同い年なのに大人びて見えた。


そう言えば、同い年の女にしては、喋り方に可愛らしさと言うものがない。

僕は、こっちの方がスキだが。


そう言えば、同い年の女にしては、気品や高貴・・・気高さのオーラが見える。

僕は、こっちの方が興味を持てるが。



家。

聞いたことがある。確か、代々純血のブラック家やマルフォイ家に並ぶくらいの家だ。








話すにしても、一緒に居る時間にしても、居心地がよかったものだから。

僕は、どうも、この時間を楽しく思ってしまっていた。








!ここに居たのかよ!」


「クリード。ごめんね、セブルスを見かけたから。じゃあね、セブルス。」








クリードと呼ばれる男と一緒に、そいつは嵐のように去っていった。








突然、僕の世界に現れた少女。








名前で呼ばれたことに気づき、不思議と胸が躍るような気持ちになったのは、

少女と別れてから数分後のこと。